相模原市で不動産査定書を見るポイント|査定価格・売出価格・成約価格の違い
不動産会社から査定書を受け取ったものの、数字や専門用語が並んでいて、どこを見ればよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
査定書は、金額だけを見て終わりにすると、大切な情報を見落としやすい書類です。どのような事例を参考にしたのか、物件の条件がどのように評価されているのか、その価格で売り出す場合にどのような販売方針を考えているのかまで確認することが大切です。
本記事では、相模原市で不動産の売却を検討している方に向けて、査定価格・売出価格・成約価格の違いと、査定書に記載される主な項目、査定価格の根拠や周辺事例の見方を解説します。複数の査定書を比較するときのポイントや、査定内容について相談できる窓口も紹介します。
なお、査定の申し込みから結果が届くまでの流れは別の記事で詳しく扱っているため、本記事では「届いた査定書をどう読むか」に絞って解説します。
もくじ
不動産査定書とは何か

不動産査定書とは、不動産会社が売却を検討している不動産について、どの程度の価格で売却できると考えられるかを、その根拠とともにまとめた資料です。
査定書に記載された金額は、実際の売却価格を保証するものではありません。周辺の取引事例や物件の状態、市場動向などをもとに、不動産会社が価格について意見を示したものです。
宅地建物取引業法では、不動産会社が売買すべき価格について意見を述べる場合、その価格について根拠を明らかにすることが求められています。そのため、査定書では「いくらなのか」だけでなく、「なぜその価格なのか」を確認することが重要です。
査定の申し込みから結果を受け取るまでの流れについては、相模原市で不動産査定だけでも大丈夫?流れ・注意点をわかりやすく解説で詳しく紹介しています。
鑑定評価書とは別の書類
査定書と名前が似ている書類に「不動産鑑定評価書」があります。
不動産鑑定評価書は、国家資格である不動産鑑定士が、不動産鑑定評価基準などに基づいて作成するものです。一方、不動産会社が作成する査定書は、売却活動を検討するための資料であり、作成者や目的が異なります。
最初に確認したい3点
査定書を受け取ったら、まず次の3点を確認しましょう。
- 査定価格が、どのような方法や事例をもとに算出されているか
- 比較対象となっている周辺事例が、自分の物件の条件に近いか
- その価格で売り出す場合の販売方針が具体的に示されているか
この3点を確認すると、単純な金額の比較ではなく、査定価格の意味を理解しやすくなります。
査定価格・売出価格・成約価格の違い

不動産売却では、「査定価格」「売出価格」「成約価格」という3つの価格が登場します。それぞれ意味が異なるため、査定書を見るときは区別して考えることが大切です。
| 価格 | 誰が決めるか | 意味 | 決まる時期 |
|---|---|---|---|
| 査定価格 | 不動産会社が意見を提示 | 周辺相場や物件条件などをもとにした売却価格の見込み | 査定時。販売中に再査定する場合もある。 |
| 売出価格 | 売主が決定 | 実際に広告などに掲載して販売する価格 | 販売開始前に設定。販売中に変更する場合もある。 |
| 成約価格 | 売主と買主が合意 | 実際の売買契約で合意した価格 | 売買契約時 |
値札とレジの金額に例えると分かりやすい
たとえば、売出価格は商品の「値札」、成約価格は実際に購入するときの「レジで決まった金額」に近いイメージです。
査定価格は、不動産会社が「この条件であれば、このくらいの価格で売却を目指せるのではないか」と考える基準となる価格です。売出価格は査定価格を参考にしながら、売主と不動産会社が相談して設定します。
三つの価格の関係(架空の例)
次の表は仕組みを理解するための架空の数字であり、相模原市の実際の相場を示すものではありません。
| 項目 | 金額(例) | 補足 |
|---|---|---|
| 査定価格 | 3,000万円 | 不動産会社が示した価格の見込み |
| 売出価格 | 3,180万円 | 売主と会社が相談して設定した販売価格 |
| 成約価格 | 2,950万円 | 買主との交渉を経て合意した価格 |
この例では、売出価格から成約価格まで230万円の差があります。実際の売却では、物件の条件や市場環境、購入希望者との交渉などによって、売出価格と成約価格に差が生じることがあります。
売出価格は査定価格と必ず同じになるわけではありません。査定価格を参考にしながら、売却希望時期や市場の状況などを踏まえて設定します。
媒介契約から販売活動までの流れについては、相模原市の不動産売却の流れも参考にしてください。
よくある二つの誤解
- 「査定価格は、その金額で売れることが保証された価格」という誤解。査定価格は不動産会社による価格についての意見であり、実際の成約価格を保証するものではありません。
- 「売出価格が高いほど有利に売れる」という誤解。市場価格から大きく離れた価格では、問い合わせが集まりにくくなるなど、売却活動に影響する可能性があります。
成約価格を調べる方法
実際に行われた不動産取引の価格を調べる方法の一つが、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」です。不動産取引価格情報や成約価格情報を確認できます。ただし、個別の物件・取引が特定できないように加工されているため、周辺相場を知るための参考資料として活用しましょう。
また、不動産会社が利用する「レインズ」には、不動産会社間で共有される売買物件の情報が登録されています。査定書に掲載されている事例が「売出中の価格」なのか「実際に成約した価格」なのかを確認することも重要です。
査定書に記載される主な項目
査定書の形式や項目は不動産会社によって異なりますが、一般的には次のような内容が記載されています。
| 項目 | 主な内容 | 見るときの視点 |
|---|---|---|
| 物件概要 | 所在地、面積、築年、間取りなど | 実際の物件情報と合っているか |
| 査定価格 | 査定した価格や価格帯 | 価格の根拠が説明されているか |
| 価格の根拠 | 比較した事例、査定方法など | 事例の条件が近いか |
| 周辺相場 | 取引事例、売出中の物件など | 事例の時期や種類を確認する |
| 個別の要因 | 日当たり、道路、土地形状、建物状態など | プラス・マイナスの理由があるか |
| 販売方針 | 売出価格案、広告方法、販売期間など | 具体的な内容になっているか |
| 前提条件・注意事項 | 現況、境界、権利関係など | 査定の前提条件や、売却に必要な作業・費用が明示されているか |
物件情報の誤りを確認する
面積や築年数などの基本情報が実際と異なっていると、査定価格にも影響する可能性があります。
登記事項証明書や購入時の資料、建物の図面などと照らし合わせ、査定書の物件情報に間違いがないか確認しておきましょう。
個別の条件が反映されているか
同じ地域にある不動産でも、駅からの距離、前面道路、土地の形状、日当たり、建物の状態、リフォーム履歴などによって評価は変わります。
「なぜプラス評価なのか」「なぜマイナス評価なのか」が説明されているかを確認すると、査定価格の根拠を理解しやすくなります。
販売方針の欄で見たい内容
査定書に販売方針が記載されている場合は、価格だけでなく、その内容にも注目しましょう。記載されていない場合は、担当者に次の点を確認しておくと、売却の進め方を比較しやすくなります。
- どのような広告媒体を利用するのか
- どのような購入層を想定しているのか
- 内覧の対応をどのように行うのか
- 問い合わせが少ない場合に、いつ価格や販売方法を見直すのか
「広く販売します」といった抽象的な説明だけの場合は、具体的にどのような販売活動を行うのか担当者に確認してみましょう。
前提条件と作成日を確認する
査定価格には、「現況のまま」「境界が確認できていることを前提とする」など、一定の条件が付いている場合があります。
また、不動産市場や周辺の売出状況は変化するため、査定書の作成日も確認しておきましょう。古い査定書の場合は、現在の市場環境を踏まえて再確認してもらうことも考えられます。
査定価格の根拠と周辺事例の見方

主な価格査定の方法
| 方法 | 考え方 | 利用されることが多い不動産 |
|---|---|---|
| 取引事例比較法 | 条件の近い不動産の取引事例と比較する | 土地、戸建て、マンションなど |
| 原価法 | 建物を再調達する場合の原価をもとに、築年数などによる減価を考慮する | 建物の評価など |
| 収益還元法 | 将来得られる収益をもとに不動産の価値を考える | 賃貸用不動産など |
実際の査定では、物件の種類や目的に応じて考え方が異なります。査定書を確認するときは、どのような方法や事例をもとに価格を算出したのかを担当者に確認するとよいでしょう。
事例との違いを調整する「補正」
周辺の取引事例と、自分の物件がまったく同じ条件であることはほとんどありません。
そこで、築年数、土地の形状、道路条件、駅からの距離、日当たり、建物の状態などの違いを考慮して、査定価格を調整します。こうした調整を「補正」と呼ぶことがあります。
査定書に補正の理由が記載されていれば、その価格になった過程を確認しやすくなります。説明が分かりにくい場合は、「この事例と比べて、どの条件をどのように評価していますか」と質問してみましょう。
周辺事例を見る5つの視点
- 成約した価格なのか、現在の売出価格なのか
- いつ取引された事例なのか
- 面積、築年数、間取りなどが近いか
- 駅からの距離や前面道路などの条件が近いか
- 1件だけではなく、複数の事例を比較しているか
特に注意したいのが、売出価格と成約価格の違いです。売出中の物件に付いている価格は、売主が希望している販売価格であり、その金額で実際に売れるとは限りません。
相模原市で気をつけたい地域差
相模原市は緑区・中央区・南区の3区に分かれており、同じ区内でも駅からの距離や交通手段、周辺環境などによって不動産の条件は異なります。
たとえば、同じ駅を利用する物件でも、徒歩圏内なのかバス利用なのか、前面道路の状況や土地の形状がどうなっているのかによって、単純に価格を比較できない場合があります。
そのため、「相模原市全体の相場」だけを見るのではなく、できるだけ自分の物件と条件が近い事例が選ばれているかを確認しましょう。
複数の査定書を比較するポイント
複数の不動産会社から査定書を受け取った場合は、査定価格の高さだけを比べるのではなく、「なぜその価格なのか」を並べて確認することが大切です。
1社だけの査定では、その金額が周辺相場と比べてどのような位置にあるのか判断しにくいことがあります。複数の査定を比較すると、事例の選び方や物件条件の評価など、会社ごとの考え方の違いも確認しやすくなります。
並べて比べたい項目
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 査定価格 | 価格と、その根拠 |
| 査定方法 | どのような方法・事例を使っているか |
| 周辺事例 | 事例の数、時期、物件条件 |
| 売出価格案 | 査定価格との差と、その理由 |
| 販売期間の想定 | どの程度の期間を想定しているか |
| 価格見直しの考え方 | 反響が少ない場合に何を見直すか |
比較する前に条件をそろえる
査定価格を比較するときは、各社にできるだけ同じ情報を伝えているかも確認しましょう。
たとえば、リフォーム履歴、建物の不具合、境界の状況、土地や建物に関する資料、売却希望時期などの情報が会社によって異なると、査定額の差が「会社の評価の違い」なのか「前提条件の違い」なのか分かりにくくなります。
各社に伝えた内容をメモしておくと、査定書を比較するときに整理しやすくなります。
金額に差が出たときは理由を確認する
- 比較している事例が違う
- 物件の個別条件に対する評価が違う
- 想定している販売期間が違う
- 査定の前提条件が違う
査定価格に差があること自体が問題というわけではありません。重要なのは、その差がどこから生じているのかを説明してもらうことです。
高い査定額だけで会社を選ばない理由
査定額が高くなる背景を確認する
複数の査定書を比較すると、会社によって査定価格に差が出ることがあります。
その理由として、比較する事例や物件条件の評価、想定する販売期間などが異なる場合があります。一方で、その会社が把握している購入希望者の情報や販売方法などを踏まえて価格を提示している可能性もあります。
そのため、「高いから問題がある」と考えるのではなく、その金額を設定した根拠を具体的に説明できるかを確認することが大切です。
売出価格を高く設定する場合に確認したいこと
市場価格から大きく離れた価格で売り出すと、問い合わせが集まりにくくなったり、売却期間が長くなったりする可能性があります。
そのため、査定書に高い売出価格が提案されている場合は、「この価格を設定する根拠は何か」「どのくらいの販売期間を想定しているか」「反響が少なかった場合はいつ価格を見直すのか」を確認しておきましょう。
なお、専任媒介契約・専属専任媒介契約の契約期間は、法律上3か月を超えることができません。契約期間中の販売方針だけでなく、価格を見直す場合の考え方についても、あらかじめ確認しておくと安心です。
金額以外に確認したいこと
- 査定価格の根拠を質問したときに説明してもらえるか
- 物件の条件を踏まえた販売方針になっているか
- 売却活動中の連絡方法や報告頻度はどうなっているか
- 仲介手数料などの費用について説明があるか
不動産売却の進め方や価格設定については、相模原市で不動産を売却するポイント5選でも紹介しています。
仲介査定と買取査定の違い
不動産の売却方法には、買主を探して売却する「仲介」と、不動産会社などに直接買い取ってもらう「買取」があります。
どちらも査定という言葉が使われますが、価格が示す意味は異なります。そのため、仲介の査定価格と買取価格を単純に金額だけで比較しないことが大切です。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 価格の意味 | 市場で買主を探して売却する場合の価格についての意見 | 不動産会社などが直接購入する場合の提示価格 |
| 主に確認したいこと | 周辺事例、売出価格、販売方針 | 買取価格、買取条件、引渡し時期 |
| 販売活動 | 購入希望者を探す | 原則として一般の購入希望者を探す販売活動は行わない |
| 確認したい条件 | 販売期間、広告方法、仲介手数料など | 現況のまま売却できるか、契約条件など |
買取査定では、提示された金額が概算なのか、現地確認や調査を踏まえた購入提示額なのかも確認しましょう。あわせて、価格が変更される可能性のある条件や、残置物の撤去・測量などの費用負担を確認することが大切です。
買取では、不動産会社が購入後に再販売などを行うことを前提として価格を提示するため、仲介で一般の買主を探す場合と価格の考え方が異なります。
また、売却方法によって必要な費用や契約条件なども異なる場合があります。売却後に手元に残る金額を考えるときは、価格だけでなく諸費用も含めて確認しましょう。詳しくは相模原市の不動産売却にかかる費用と相場で解説しています。
仲介と買取を比較するときに確認したいこと
仲介と買取のどちらを検討する場合でも、まずは「価格」「売却までの期間」「販売活動の手間」「契約条件」など、自分が重視したい条件を整理しておくことが大切です。
たとえば、仲介で一定期間売却活動を行い、状況によって買取を検討する方法もあります。その場合は、それぞれの価格や条件、切り替える場合の手続きについて、事前に確認しておくと比較しやすくなります。
売却方法の選び方については、相模原市の仲介と買取の違い・選び方で詳しく解説しています。
相模原市で査定内容を確認するときの相談先
査定書を読んでいて「この金額の根拠が分からない」「他社の査定と差が大きい」と感じた場合は、まず査定書を作成した担当者に質問してみましょう。
- 査定書を作成した不動産会社の担当者
- 別の不動産会社
- 神奈川県宅地建物取引業協会などの相談窓口
- 不動産鑑定士
- 消費生活センター・消費者ホットライン「188」
どこに相談するかは、疑問の内容によって異なります。査定価格の根拠であれば不動産会社や不動産鑑定士、契約や消費者トラブルについては消費生活センターなど、目的に応じて相談先を選びましょう。
相談窓口の受付時間や対応範囲は変更される場合があるため、利用する際は各公式サイトで最新情報を確認してください。
当社すまる株式会社(相模原市中央区)でも、査定書の内容や価格の根拠、販売方針についてご不明な点がある方からのご相談を受け付けています。
不動産売却全体の流れを確認したい方は、相模原市で不動産売却を検討の方へ|初めてでも失敗しない完全ガイドも参考にしてください。
売却を検討している方は売却サービス、早期の現金化を検討している方は買取サービスをご覧ください。
まとめ

不動産査定書は、金額だけを見るのではなく、「なぜその価格なのか」「その価格でどのように売るのか」を確認するための資料です。
査定価格は不動産会社が示す価格についての意見、売出価格は実際に販売するときに設定する価格、成約価格は売主と買主が最終的に合意した価格です。それぞれの意味を区別すると、査定書に記載された数字を理解しやすくなります。
周辺事例を見るときは、成約価格なのか売出価格なのか、取引時期はいつなのか、自分の物件と条件が近いのかを確認しましょう。複数の査定書を比較するときも、金額の高さだけではなく、事例の選び方や物件条件の評価、販売方針まで確認することが大切です。
査定書を受け取ったら、次の5点を確認してみてください。
- 査定価格・売出価格・成約価格の意味を区別できているか
- 物件の面積・築年数などの基本情報に誤りがないか
- 周辺事例の取引時期や物件条件が近いか
- 査定価格の根拠や物件条件の補正理由が説明されているか
- 価格だけでなく、販売方針についても具体的に確認できているか
査定額の違いが気になる場合は、各社に「なぜこの価格なのか」「どの事例を参考にしたのか」と質問してみましょう。金額の背景を確認することで、査定書をより正確に比較しやすくなります。
不動産売却についてお悩みの方へ
「査定書の見方が分からない」「会社によって査定額が違う理由を知りたい」など、査定内容について疑問がある方も、売却をまだ決めていない段階からお気軽にご相談ください。
