家を購入する流れをわかりやすく解説|物件探しから引渡しまで
「そろそろマイホームが欲しいけれど、何から始めればいいのかわからない」——家の購入を考え始めたとき、多くの方がこの壁にぶつかります。実は家の購入は、旅行の計画に似ています。行き先(欲しい家の条件)を決めないまま出発してしまうと、途中で迷ってしまったり、無駄なお金や時間を使ってしまったりするのです。
住宅購入にかかる期間は、希望条件や物件の種類によって異なります。物件探しを始めてから数か月で引渡しを迎える場合もあれば、希望する物件が見つかるまで半年以上かかる場合もあります。
購入までの道のりには決まった「順番」があります。この順番をあらかじめ知っておくことで、「次に何をすればいいのか」が明確になり、不安なく前に進むことができます。
この記事では、家探しを始める前の準備段階から、実際に鍵を受け取って新生活をスタートするまでの流れを、7つのステップに分けてわかりやすく解説します。専門用語には必ずかんたんな説明を添えていますので、知識がまったくない方でも安心してお読みいただけます。
もくじ
家を購入するまでの全体スケジュール
家の購入は「7つのステップ」で進む
家の購入は、大きく分けると次の7つのステップで進んでいきます。
- ステップ①情報収集・資金計画
- 希望する暮らしや購入予算、エリアなどを整理し、毎月無理なく返済できる金額を検討します。
- ステップ②物件探し
- 不動産ポータルサイトや不動産会社を利用して、希望条件に合う物件を探します。
- ステップ③内見
- 実際に現地を訪れ、建物の状態や日当たり、周辺環境などを確認します。
- ステップ④購入申込み・条件調整・住宅ローンの事前審査
- 購入したい物件が決まったら、購入申込書や買付証明書を提出し、価格や契約日、引渡し時期などの条件を売主と調整します。 住宅ローンを利用する場合は、この段階までに事前審査を受けるのが一般的です。
- ステップ⑤重要事項説明・売買契約
- 宅地建物取引士から重要事項説明を受け、物件や契約条件を確認したうえで売買契約を締結します。
- ステップ⑥住宅ローン本審査・契約手続
- 売買契約後に住宅ローンの本審査を受け、承認後、金融機関と金銭消費貸借契約を締結します。
- ステップ⑦決済・引渡し
- 売買代金の残額を支払い、登記手続を行ったうえで、鍵や関係書類を受け取ります。
料理に例えるなら、情報収集と資金計画は「何を作るか決めて、材料の予算を考える段階」、物件探しと内見は「実際にスーパーで食材を選ぶ段階」、契約と決済は「レジで代金を支払う段階」にあたります。どの段階も飛ばすことはできず、順番通りに進めていくことが大切です。
購入完了までにかかる期間の目安
家の種類によって、購入までにかかる期間は異なります。以下の表で目安を確認してみましょう。
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 情報収集・資金計画 | 希望条件と購入予算の整理 | 2週間〜1ヶ月 |
| 物件探し | 候補物件のリストアップ | 1ヶ月〜3ヶ月 |
| 内見 | 実際の見学 | 2週間〜1ヶ月 |
| 購入申込み・事前審査 | 条件調整、住宅ローン事前審査 | 数日~2週間程度 |
| 重要事項説明・売買契約 | 契約条件の確認、契約締結 | 2週間〜1ヶ月 |
| 本審査・ローン契約 | 本審査、金銭消費貸借契約 | 2週間~1か月程度 |
| 決済・引渡し | 残代金の支払い、登記手続き | 契約から1~2か月程度 |
| 合計 | 約4ヶ月〜7ヶ月 |
ただし、これはあくまで目安です。理想の物件になかなか出会えない場合は、物件探しの期間だけで半年以上かかることも珍しくありません。焦らず、じっくり進めることが結果的に満足度の高い買い物につながります。
新築と中古で流れは変わるのか
家の購入といっても、「新築の分譲住宅(すでに完成している、または完成予定の新しい家)」「注文住宅(土地を買って、間取りから自分で決めて建てる家)」「中古住宅」の3種類があり、それぞれ流れが少し異なります。
| 種類 | 特徴 | 購入までの期間の目安 |
|---|---|---|
| 新築分譲住宅 | すでに完成、または完成予定の家を購入 | 4ヶ月〜6ヶ月 |
| 注文住宅 | 土地探しから間取り決定、建築まで行う | 10ヶ月〜1年半 |
| 中古住宅 | 既存の家を購入(リフォームが必要な場合も) | 4ヶ月〜7ヶ月 |
注文住宅は「土地探し」と「設計」という工程が加わるため、他の2つに比べて期間が長くなる傾向があります。この記事では、多くの方が経験する「新築分譲住宅・中古住宅」を購入する場合の流れを中心に解説していきます。
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情報収集・資金計画
まずは「なぜ家を買うのか」を整理する
物件探しを始める前に、最も大切なのが「なぜ家を買いたいのか」を明確にすることです。これは、旅行に例えるなら「なぜその場所に行きたいのか」を考えることと同じです。目的があいまいなまま出発すると、途中で「本当にこれでよかったのか」と迷ってしまいます。
以下のような点を、家族で話し合っておくとよいでしょう。
- 子どもの成長に合わせて、いつまでにどのエリアに住みたいか
- 通勤・通学の利便性はどこまで重視するか
- 一戸建てとマンション、どちらが自分たちの暮らしに合っているか
- 将来的に住み替える可能性はあるか
これらを整理しておくことで、後の「物件探し」の段階で条件がぶれにくくなります。
資金計画の立て方
家の購入で最も重要と言っても過言ではないのが、資金計画です。資金計画とは、「自分がいくらまでの家を、どのようにお金を用意して購入できるか」を具体的に考えることです。

資金計画で考えるべき要素は、主に次の3つです。
- 自己資金(頭金):預貯金の中から、購入時に自分で用意できるお金
- 住宅ローン借入額:金融機関から借りるお金
- 諸費用:物件価格とは別にかかる税金や手数料など(物件価格の6〜10%程度が目安)
住宅購入の資金計画を考える際に注意したいのが、「金融機関から借りられる金額」と「家計に無理なく返済できる金額」は、必ずしも同じではないという点です。
住宅ローンの借入可能額は、年収だけでなく、年齢、勤続年数、既存の借入、返済期間、適用金利、自己資金、購入物件の担保評価などをもとに金融機関が審査します。審査上は希望額を借りられる場合でも、将来の教育費や修繕費、収入の変化などを考慮すると、借入額を抑えた方がよいケースもあります。
そのため、金融機関の審査上の上限だけで判断せず、毎月の生活費や将来の支出も踏まえて、継続して返済できる金額を検討することが大切です。
年収別の住宅ローン借入目安
住宅ローンの返済額を検討する際には、年収に占める年間返済額の割合である「返済負担率」が一つの目安として使われます。
以下は、年間返済額を年収の25%とし、借入期間35年、金利年1.5%、元利均等返済、ボーナス返済なしと仮定した場合のシミュレーションです。
| 年収 | 年間返済額の目安(25%) | 月々の返済額 | 借入額の試算 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約100万円 | 約8.3万円 | 約2,700万円 |
| 500万円 | 約125万円 | 約10.4万円 | 約3,400万円 |
| 600万円 | 約150万円 | 約12.5万円 | 約4,100万円 |
| 700万円 | 約175万円 | 約14.6万円 | 約4,800万円 |
| 800万円 | 約200万円 | 約16.7万円 | 約5,400万円 |
※上記は一定の条件を用いた参考例であり、借入可能額や無理なく返済できる金額を保証するものではありません。実際の審査結果や返済額は、適用金利、返済期間、年齢、既存の借入などによって異なります。また、固定資産税、火災保険料、将来の修繕費、マンションの管理費・修繕積立金なども考慮して資金計画を立てる必要があります。
住宅ローン事前審査とは
資金計画がある程度固まったら、「住宅ローン事前審査」を受けておくことをおすすめします。事前審査とは、正式な契約を結ぶ前に、金融機関に「この人にいくらまで貸せそうか」を簡易的に判断してもらう手続きのことです。
これは、レストランに行く前に「予算内でお店に入れるか」を電話で確認しておくようなものだとイメージするとわかりやすいでしょう。事前審査を受けておくことで、以下のようなメリットがあります。
- 購入可能な価格帯の目安を把握しやすくなる
- 購入申込み後の資金計画を進めやすくなる
- 物件が決まった後の手続きを円滑に進めやすくなる
事前審査の結果は、通常3日〜1週間程度で出ることが多く、必要書類も本審査に比べて少なく済みます。
情報収集で使えるツール・相談先一覧
情報収集の段階では、以下のような窓口を活用することができます。
- 不動産ポータルサイト:地域や価格帯から物件の相場観をつかむ
- 住宅ローンシミュレーションサイト:銀行や比較サイトが提供する無料ツールで、月々の返済額を試算できる
- ファイナンシャルプランナー(お金の専門家)への相談:中立的な立場から資金計画のアドバイスを受けられる
- 住宅展示場・モデルルーム見学:完成イメージをつかみながら情報収集できる
これらを組み合わせながら、焦らず自分たちに合った資金計画を固めていくことが、この後のステップをスムーズに進めるための最大のポイントです。
物件探し
資金計画が固まったら、いよいよ具体的な物件探しのステップに入ります。ここは家探しの中でも最も時間をかけることになる段階であり、「理想の家に出会えるかどうか」が決まる重要な工程です。

希望条件の優先順位を決める
物件探しを始める前に、必ずやっておきたいのが「希望条件の優先順位づけ」です。なぜなら、すべての条件を100%満たす物件は、現実にはほとんど存在しないからです。
これは、婚活や就職活動で「理想の相手・理想の会社」を探すことに似ています。「年収も、性格も、外見も、価値観も全部完璧な人」を探し続けると、いつまでも決まりません。それよりも、「これだけは絶対に譲れない」というポイントを3つほどに絞り込むことが、後悔しない物件選びのコツです。
条件を整理する際は、以下のように「絶対条件」「できれば条件」に分けて書き出してみましょう。
- 絶対条件(譲れない条件)の例
- 通勤・通学時間が◯分以内
- 予算◯◯万円以内
- 耐震基準を満たしていること
- できれば条件(妥協できる条件)の例
- 駅からの距離
- 築年数
- 日当たりや眺望
- 収納の広さ
物件探しの主な方法
物件探しには、主に4つの方法があります。それぞれに特徴があるため、複数を組み合わせて活用するのがおすすめです。
| 探し方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 不動産ポータルサイト | 24時間いつでも自分のペースで検索できる。相場観をつかみやすい | 情報が古い場合がある。人気物件はすでに成約済みのことも |
| 不動産会社への訪問・相談 | 未公開物件(サイトに載る前の物件)を紹介してもらえることがある | 営業担当者との相性に左右される |
| チラシ・情報誌 | 特定エリアの新着情報をキャッチしやすい | 情報量がポータルサイトより少ない |
| 知人・地域の口コミ | 実際に住んでいる人のリアルな声が聞ける | 情報の網羅性は低い |
不動産会社(仲介会社)選びのポイント
物件探しにおいて、実は「どの不動産会社(仲介会社)を選ぶか」が、満足のいく家探しができるかどうかを大きく左右します。仲介会社とは、家を売りたい人と買いたい人の間に立って、契約成立までをサポートしてくれる会社のことです。
良い不動産会社を選ぶポイントとしては、以下が挙げられます。
- こちらの希望条件をきちんとヒアリングしてくれるか
- メリットだけでなく、物件のデメリット(リスクとなる点)も正直に説明してくれるか
- 質問への回答が早く、レスポンスが丁寧か
- 地域の情報に詳しく、実績が豊富か
「押しの強い営業担当者だから」という理由だけで契約を急がされている、と感じた場合は、一度立ち止まって冷静に考えることが大切です。家の購入は人生でも大きな金額が動く買い物であるため、信頼できるパートナーを選ぶことが何よりも重要です。
よくある失敗例と対策
物件探しの段階では、初心者の方が陥りやすい失敗がいくつかあります。あらかじめ知っておくことで、同じ失敗を避けることができます。
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 条件を広げすぎて、候補が多すぎて選べなくなる | 「絶対条件」を3つ以内に絞る |
| 逆に条件を絞りすぎて、候補がゼロになる | エリアや築年数は少し幅を持たせる |
| 「今回は見るだけ」のつもりが、勢いで契約してしまう | 事前に予算の上限を家族で共有しておく |
| 一つの不動産会社の意見だけを鵜呑みにする | 複数の不動産会社の話を聞いて比較する |
内見
気になる物件が見つかったら、次は「内見(ないけん)」という段階に進みます。内見とは、実際に現地へ足を運び、自分の目で物件を確認することです。写真や間取り図だけではわからない、リアルな情報を得るための非常に重要な工程です。

内見の申し込みから当日までの流れ
内見は、以下のような流れで進みます。
- 1.ポータルサイトや不動産会社に「内見したい」と連絡する
- 2.不動産会社が売主・入居中の住人と日程を調整する
- 3.内見当日、不動産会社の担当者と現地で待ち合わせる
- 4.実際に室内・共用部分・周辺環境を見学する(所要時間30分〜1時間程度)
なお、まだ人が住んでいる中古物件の場合は、内見できる曜日や時間帯が限られることもあるため、早めに希望日を伝えておくとスムーズです。
内見時に必ずチェックすべきポイント
物件によっては、内見できる日時が限られていたり、検討中にほかの購入申込みが入ったりすることがあります。そのため、1回の内見でも必要な点を確認できるよう、事前に準備しておくことが大切です。
内見前には、地図やハザードマップ、周辺施設、駅までの経路など、インターネットで確認できる情報を調べておきましょう。当日は、建物の状態や日当たり、音、におい、設備、収納など、現地でなければ分からない点を優先して確認します。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 日当たり・風通し | 窓の向き、時間帯による明るさの変化 |
| 水回り | 水圧、排水音、カビや水漏れの跡の有無 |
| 収納スペース | 荷物量に対して十分な広さがあるか |
| 音・振動 | 隣室や道路からの音、電車の振動など |
| 建物の傷み具合 | 壁のひび割れ、床の傾き、雨漏りの跡 |
| コンセントの位置と数 | 家具・家電の配置イメージに合っているか |
| 携帯電話の電波状況 | 室内で電波が入りにくい場所がないか |
| 周辺環境 | スーパー、病院、学校までの距離と実際の道のり |
これらは、部屋の中にいるだけでは気づきにくいポイントばかりです。特に「音」や「におい」は写真では絶対にわからない情報なので、内見でしっかり確認しておきましょう。
また、内見した時間帯とは異なる周辺環境が気になる場合は、不動産会社へ確認したり、物件の周辺や駅までの経路を別の時間帯に歩いたりする方法もあります。
気になる点はその場で担当者へ質問し、必要に応じて追加資料を確認したうえで、限られた時間の中でも納得できる判断をすることが大切です。
内見時に担当者に聞くべき質問リスト
内見の際は、見学するだけでなく、不動産会社の担当者に積極的に質問することが大切です。以下のような質問を用意しておくと、後悔のない判断がしやすくなります。
- なぜ売主はこの物件を手放すのか(売却理由)
- 過去に水漏れやシロアリなどのトラブルはなかったか
- 修繕積立金(マンションの場合、将来の修繕のために積み立てるお金)は十分にあるか
- 周辺の生活環境や、近隣との間で把握しているトラブルなどはないか
- ハザードマップ(自然災害の危険性を示した地図)ではどのような評価か
特に「売却理由」は、物件のリスクを知る手がかりになることがあるため、遠慮せずに確認しておきましょう。
売買契約
「この家に決めた」と思える物件に出会えたら、いよいよ売買契約に向けた手続きが始まります。この段階では、お金と法律に関わる大切な手続きが続くため、一つひとつ丁寧に進めていくことが大切です。

「買付証明書」の提出
購入したい物件が決まったら、まず「買付証明書(かいつけしょうめいしょ)」という書類を不動産会社経由で売主に提出します。
買付証明書は、購入希望価格や契約・引渡しの希望時期、住宅ローンの利用予定などの条件を示し、売主へ購入意思を伝えるための書類です。この段階ではまだ売買契約を締結していないため、原則として、買付証明書を提出しただけで売買契約が成立するわけではありません。
複数の購入申込みが重なった場合、必ずしも申込みの先着順で購入者が決まるとは限りません。売主が、購入希望価格、住宅ローンの事前審査の状況、契約・引渡し時期などの条件を総合的に判断する場合があります。
また、購入申込みの段階で価格交渉を行うこともできます。ただし、申込後の安易な辞退や過度な価格交渉は、売主との条件調整に影響することがあります。購入意思や資金計画を確認したうえで、不動産会社と相談しながら希望条件を検討しましょう。
住宅ローン本審査のタイミング
購入申込み後、売主との間で価格や引渡し時期などの条件がまとまったら、重要事項説明を受け、売買契約を締結します。住宅ローンの本審査は、売買契約の締結後に申し込むのが一般的です。本審査では、申込者の収入や勤務状況、信用情報、健康状態に加え、購入する物件の担保評価などについて、事前審査よりも詳しい確認が行われます。金融機関から、売買契約書、重要事項説明書、物件資料、収入証明書類などの提出を求められます。
審査期間は金融機関や申込内容によって異なりますが、必要書類を提出してから1~3週間程度が一つの目安です。なお、事前審査を通過していても、本審査の承認が保証されるわけではありません。そのため、住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を設け、融資承認を得られなかった場合の取扱いや解除期限を明確にしておくことが重要です。
重要事項説明とは
売買契約を結ぶ直前には、「重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)」という手続きが必ず行われます。これは、宅地建物取引士(不動産取引の専門資格を持つ人)が、物件に関する重要な情報やリスクを、契約前に口頭と書面で説明する法律で定められた手続きです。
重要事項説明では、主に以下のような内容が説明されます。
- 物件の権利関係(誰が所有しているか、抵当権が付いていないかなど)
- 都市計画法や建築基準法上の制限(建て替えや増改築に関するルール)
- 水道・電気・ガスなどのインフラ整備状況
- 過去に事件・事故がなかったか(いわゆる心理的瑕疵の有無)
- ハザードマップ上の危険性
この説明は非常に専門的な内容が多く、初めて聞く言葉も多いため、わからない点はその場で遠慮なく質問することが大切です。「後で聞けばいいや」と流してしまうと、契約後にトラブルになるケースもあります。
売買契約時に必要な費用
売買契約を結ぶ際には、物件価格とは別に、以下のような費用が必要になります。
| 費用項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 手付金 | 契約時に売主へ支払うお金(残代金に充当される) | 物件価格の5〜10% |
| 仲介手数料(半金) | 不動産会社への成功報酬(契約時に半額、決済時に半額が一般的) | (物件価格×3%+6万円+消費税)の半額 |
| 印紙税 | 契約書に貼る印紙代 | 1万円〜3万円程度 |
手付金は、契約後に万が一買主の都合でキャンセルする場合、原則として戻ってこないお金です。一方で、売主の都合でキャンセルする場合は、手付金の倍額が買主に返還されるというルールになっています。この仕組みを「手付解除」と呼びます。
契約書で必ず確認すべき項目
売買契約書は法律用語が多く、初めて読む方には難解に感じられるかもしれません。しかし、以下の項目だけは必ず自分の目で確認しましょう。
- 物件の所在地・面積・価格に間違いがないか
- 引渡し時期はいつになっているか
- 手付解除ができる期限はいつまでか
- 住宅ローン特約(ローン特約)の有無
特に「住宅ローン特約」は非常に重要です。住宅ローン特約は、契約書に定めた金融機関へ期限内に申込みを行ったにもかかわらず、所定の融資承認期限までに承認を得られなかった場合に、契約を解除できるよう定めるものです。融資申込先、融資金額、承認期限、解除期限などは契約ごとに異なるため、必ず内容を確認しましょう。
クーリングオフは使えるのか
「クーリングオフ」とは、一定期間内であれば無条件で契約を取り消せる制度のことです。しかし、不動産の売買契約においては、原則としてクーリングオフは適用されません。
宅地建物の売買におけるクーリングオフは、売主が宅地建物取引業者であり、その事務所等以外の場所で買受けの申込みや売買契約をした場合など、一定の条件を満たす場合に限って適用されます。
ただし、買主が自ら自宅や勤務先での契約を希望した場合や、物件の引渡しを受け、かつ代金を全額支払った場合など、適用されないケースがあります。契約場所だけでは判断できないため、該当する可能性がある場合は不動産会社や専門家へ確認しましょう。
決済・引渡し
売買契約が完了したら、いよいよ最終段階である「決済・引渡し」に進みます。ここでは、お金の支払いと、物件の名義変更、そして鍵の受け渡しが行われます。
決済の流れ
決済とは、住宅ローンを実行してもらい、物件の残代金(手付金を除いた残りの代金)を売主に支払う手続きのことです。決済は、通常、金融機関の一室で、以下の関係者が一堂に会して行われます。
- 買主(あなた)
- 売主
- 不動産会社の担当者
- 司法書士(登記手続きの専門家)
- 金融機関の担当者
当日は、以下のような流れで進みます。
- 司法書士が必要書類を確認する
- 住宅ローンが実行され、買主の口座に融資額が振り込まれる
- 買主から売主へ、残代金が振り込まれる
- 諸費用(税金や手数料など)を支払う
- 売主から買主へ、鍵と関連書類が引き渡される
決済にかかる時間は、通常1〜2時間程度です。この日をもって、正式に物件の所有権があなたに移ることになります。
決済時に必要な諸費用
決済の日には、物件の残代金に加えて、以下のような諸費用の支払いが必要です。これらをまとめて「諸費用」と呼びますが、内訳を知っておくと安心です。
| 費用項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 登記費用 | 所有権移転登記・抵当権設定登記にかかる費用(登録免許税+司法書士報酬) | 物件価格や借入額による(数十万円程度) |
| 仲介手数料(残金) | 契約時に支払った残りの半額 | (物件価格×3%+6万円+消費税)の半額 |
| 固定資産税・都市計画税の精算金 | 引渡し日を境に、日割りで売主・買主が負担を分ける | 物件による |
| 火災保険料 | 住宅ローンを組む際に加入が必須となることが多い | 年間1万円〜5万円程度 |
| 住宅ローン事務手数料・保証料 | 金融機関に支払う手数料 | 借入額の2.2%程度、または定額型 |
これらを合計すると、物件価格の6%〜10%程度が諸費用としてかかるのが一般的です。たとえば3,000万円の物件であれば、180万円〜300万円程度の諸費用を、自己資金として別途用意しておく必要があります。
所有権移転登記とは
決済と同時に行われるのが、「所有権移転登記」という手続きです。これは、法務局が管理している公的な記録(登記簿)上で、物件の持ち主を売主からあなたへと正式に書き換える手続きのことです。
これは、いわば車を購入したときの「名義変更」と同じ役割を果たすものです。この登記が完了して初めて、法律上「この家はあなたのものです」と第三者に対しても主張できるようになります。手続きは専門的なため、通常は司法書士がすべて代行してくれます。
鍵の引渡しと入居までにやるべきこと
決済がすべて完了すると、売主から鍵が手渡され、物理的にも法律的にも、その家はあなたのものになります。ただし、鍵を受け取ってすぐに新生活が始められるわけではなく、以下のような準備が必要です。
- 電気・ガス・水道の使用開始手続き
- インターネット回線の開通手続き(工事が必要な場合は1ヶ月以上前から予約が必要)
- 引越し業者の手配
- 住所変更に伴う各種手続き(住民票、運転免許証、郵便物の転送届など)
特にインターネット回線の開通工事は、繁忙期には1ヶ月以上待つケースもあるため、決済日が決まったらできるだけ早めに申し込んでおくことをおすすめします。

まとめ
7ステップの振り返り
ここまで、家を購入するまでの流れを7つのステップに沿って解説してきました。最後に、全体像を振り返ってみましょう。
改めて全体の流れを表で整理すると、以下のようになります。
| ステップ | 主な内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①情報収集・資金計画 | 希望条件、購入予算の整理 | 無理のない予算を検討する |
| ②物件探し | 希望条件の整理、候補探し | 条件に優先順位をつける |
| ③内見 | 建物・周辺環境の確認 | 写真では分からない点を確認する |
| ④購入申込み・事前審査 | 希望条件の提示、資金確認 | 価格・融資・日程を整理する |
| ⑤重要事項説明・売買契約 | 重要事項と契約条件の確認 | 不明点を契約前に解消する |
| ⑥本審査・ローン契約 | 本審査、金銭消費貸借契約 | 期限内に必要書類を提出する |
| ⑦決済・引渡し | 残代金支払い、登記申請、鍵の受領 | 必要資金と持ち物を事前確認する |
なお、相模原市内のエリア選びや不動産相場、住宅ローンなども含めて確認したい方は、相模原市で不動産を購入するなら?失敗しない完全ガイドをご覧ください。
家探しを成功させるための3つの心構え
最後に、これから家探しを始める方に向けて、後悔しないための心構えを3つお伝えします。
- 完璧な物件を求めすぎない:100%条件に合う家はほとんど存在しません。「絶対条件」だけは守りつつ、それ以外は柔軟に考える姿勢が大切です。
- 焦って決めない:住宅の購入は人生の中でも大きな金額が動く買い物です。少しでも疑問や不安があれば、契約前に必ず解消しておきましょう。
- 信頼できる専門家(不動産会社・ファイナンシャルプランナー・司法書士など)をパートナーにする:一人ですべてを判断しようとせず、専門家の知見を積極的に借りることが、満足のいく家探しへの近道です。
家の購入は、決して簡単な道のりではありません。しかし、今回ご紹介した7つのステップを一つずつ着実に進めていけば、初めての方でも安心して理想の住まいにたどり着くことができます。ぜひこの記事を、あなたの家探しの道しるべとしてご活用ください。
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