住宅購入にかかる諸費用はいくら?頭金・税金もわかりやすく解説
住宅を購入するとき、多くの方が「物件価格=支払う総額」だと考えがちです。しかし実際には、物件そのものの価格とは別に、契約や登記の手続き、税金の支払いなど、さまざまな場面でお金がかかります。これらをまとめて「諸費用(しょひよう)」と呼びます。
たとえるなら、洋服を1着買うときに「洋服の値段」だけでなく、「お直し代」や「クリーニング代」が別途かかるようなものです。住宅購入も同じで、物件価格という「本体価格」のほかに、それを自分のものにするための「手続き代」が必ず発生します。この手続き代にあたる部分が諸費用です。
諸費用には、主に以下のようなお金が含まれます。
- 不動産会社に支払う仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)
- 法務局での登記(とうき、所有者を公的に記録する手続き)にかかる費用
- 契約書に必要な印紙税(いんしぜい、税金の一種)
- 住宅ローンを借りる際の事務手数料や保証料
- 火災保険・地震保険の保険料
- 引っ越し費用や家具・家電の購入費用
これらは物件価格に含まれていないため、「物件価格+諸費用」という形で、購入時にはまとまった現金が必要になる点をあらかじめ理解しておくことが大切です。
もくじ
諸費用とは
そもそも「諸費用」とはどんなお金?

諸費用の相場はどれくらい?
諸費用の金額は、購入する物件の種類(新築か中古か、マンションか一戸建てか)によって大きく変わります。一般的には、物件価格に対して以下のような割合が目安とされています。
| 物件の種類 | 諸費用の目安(物件価格に対する割合) | 3,000万円の物件の場合の目安金額 |
|---|---|---|
| 新築マンション | 3%〜5%程度 | 約90万円〜150万円 |
| 新築一戸建て | 6%〜8%程度 | 約180万円〜240万円 |
| 中古マンション | 6%〜9%程度 | 約180万円〜270万円 |
| 中古一戸建て | 6%〜10%程度 | 約180万円〜300万円 |
※上記はあくまで一般的な目安であり、仲介手数料の有無(新築物件は仲介手数料がかからないケースが多い)や、住宅ローンの内容によって変動します。
新築マンションは、売主から直接購入するケースが多く、仲介手数料がかからないことが多いため、諸費用の割合が比較的低く抑えられる傾向にあります。一方、中古物件は不動産会社を介した仲介取引になることが一般的で、仲介手数料が発生するぶん、諸費用の割合が高くなりやすいという特徴があります。
諸費用を見落とすとどうなる?
住宅購入の資金計画において、最も多い失敗のひとつが「諸費用の見落とし」です。
たとえば「頭金(購入時に自己資金で支払うお金)を500万円用意したから、3,000万円の物件を買っても手元のお金は十分足りる」と考えていたとします。しかし、諸費用として物件価格の8%(240万円)が別途必要だとすると、想定より240万円多くの現金が必要になります。
このような見落としが起きると、以下のような問題につながります。
- 契約直前に資金不足が判明し、購入を進められなくなる
- 諸費用を住宅ローンに組み込もうとして、当初予定していなかった条件で借り入れを検討することになる
- 引っ越し費用や家具・家電の購入費用まで手が回らず、生活に支障が出る
このような事態を避けるためにも、住宅購入を検討し始めた段階から、「物件価格」と「諸費用」を分けて考え、両方の資金を準備しておくことが非常に重要です。
購入時に必要な費用

住宅の購入時(契約から引き渡しまでの間)に発生する諸費用について、代表的な項目を1つずつ詳しく見ていきましょう。
| 費用の項目 | 目安金額 | 支払うタイミング | 支払い先 |
|---|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の(3%+6万円)+消費税 | 契約時・引渡し時に分割(不動産会社により異なる) | 不動産会社 |
| 登記費用(登録免許税+司法書士報酬) | 物件価格や借入額により変動、数十万円程度 | 引渡し時 | 法務局・司法書士 |
| 印紙税 | 契約金額により1万円〜6万円程度 | 契約時 | 国(収入印紙で納付) |
| 住宅ローン事務手数料 | 数万円〜借入額の2.2%程度 | 融資実行時 | 金融機関 |
| 住宅ローン保証料 | 借入額や金融機関により変動 | 融資実行時、または金利に上乗せ | 保証会社 |
| 火災保険・地震保険料 | 年間数万円程度(契約内容により変動) | 引渡し時 | 保険会社 |
| 固定資産税等の精算金 | 引渡し日により変動 | 引渡し時 | 売主 |
仲介手数料とは?
仲介手数料とは、不動産会社(仲介業者)が売主と買主の間に立ち、売買契約を成立させた際に支払う「成功報酬」です。物件の紹介や内見の案内、条件交渉、契約書類の作成など、一連のサポートに対する対価と考えるとわかりやすいでしょう。
仲介手数料は、宅地建物取引業法に基づく国土交通大臣の告示によって定められています。物件価格が800万円を超える場合は、一般的に以下の速算式で計算できます。
仲介手数料=(物件価格×3%+6万円)+消費税
たとえば3,000万円の物件であれば、次のように計算します。
- 3,000万円×3%=90万円
- 90万円+6万円=96万円
- 96万円+消費税(10%)=105万6,000円
一方、物件価格が800万円以下の宅地・建物については、「低廉な空家等の媒介の特例」により、仲介手数料の上限額は33万円(税込)となります。すまる株式会社では、800万円以下の不動産について、原則として仲介手数料を33万円(税込)としています。具体的な金額は、媒介契約の締結時にあらかじめご説明いたします。
なお、新築物件を売主である不動産会社やデベロッパーから直接購入する場合は、仲介する不動産会社が入らないため、仲介手数料は発生しません。ただし、新築物件でも不動産会社の仲介によって購入する場合は、仲介手数料が発生することがあります。
物件を探す際は、取引態様が「仲介(媒介)」なのか「売主」なのかを確認しておくと、諸費用の見通しを立てやすくなります。
登記費用とは?
登記(とうき)とは、「この建物・土地は誰のものか」を法務局という国の機関に記録し、公的に証明してもらう手続きのことです。たとえるなら、住民票に「どこに住んでいるか」を届け出るのと同じように、不動産についても「誰が所有者か」を公的な記録に残す作業だとイメージするとよいでしょう。
登記費用は、主に次の2つで構成されます。
- 登録免許税:登記をする際に国に納める税金。土地・建物の評価額をもとに計算されます。
- 司法書士報酬:登記手続きを代行してくれる司法書士に支払う報酬。
住宅ローンを利用する場合は、金融機関が担保として物件に「抵当権(ていとうけん、ローンが返済されなかった場合に物件を売却してお金に換えられる権利)」を設定するための登記も必要になり、この分の費用も別途かかります。
印紙税とは?
印紙税(いんしぜい)とは、不動産の売買契約書やローンの契約書など、一定の「契約書」を作成する際にかかる税金です。契約書に「収入印紙」と呼ばれる切手のようなものを貼り付けることで納税したことになります。
印紙税の金額は、契約書に記載された金額(契約金額)によって以下のように変わります。
| 契約金額 | 印紙税額(軽減措置適用後) |
|---|---|
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 |
※軽減措置は不動産売買契約書に適用される特例です。適用期限が定められているため、契約時期によっては金額が異なる場合があります。最新の税額は国税庁の発表をご確認ください。
住宅ローン関連費用
住宅ローンを借り入れる際にも、以下のような費用が発生します。
- 事務手数料:金融機関に支払う手数料。定額型(数万円程度)と、借入額に対する定率型(借入額の2.2%程度)があります。
- 保証料:ローンの返済が滞った場合に備え、保証会社に支払う費用。金融機関によっては保証料が不要な代わりに金利がやや高めに設定されている場合もあります。
- 団体信用生命保険料(団信):契約者に万が一のことがあった場合、残りのローンが保険金でまかなわれる保険。多くの金融機関では金利に含まれる形で、別途の支払いが不要なケースが一般的です。
火災保険・地震保険料
火災保険への加入は法律上の義務ではありません。ただし、住宅ローンを利用する場合は、金融機関によって火災保険への加入を融資の条件としていることがあります。加入が必要かどうかは、利用する金融機関の条件を事前に確認しましょう。
また、火災保険は火災だけでなく、契約内容に応じて風災・水災・落雷などによる損害も補償されます。一方、地震や噴火、これらによる津波を原因とする損害は、原則として火災保険だけでは補償されません。
地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで加入します。地震保険への加入は任意のため、物件の所在地や建物の構造、必要な補償内容などを踏まえて検討しましょう。
保険料は、建物の所在地や構造、補償内容、保険金額、契約期間などによって異なります。物件ごとの差が大きいため、保険会社や代理店から見積もりを取得して確認することが大切です。
その他の諸費用
上記のほかにも、以下のような費用が発生します。
- 固定資産税・都市計画税の精算金:物件の引き渡し日を境に、売主と買主で日割り計算をして精算するお金
- 引っ越し費用:距離や荷物量により数万円〜数十万円
- 家具・家電の購入費用:新居のサイズに合わせて買い替える場合に発生
このように、購入時だけでも実に多くの項目が存在します。次の章では、引き渡し後、つまり「住み始めてから」かかる費用について見ていきましょう。
引渡し後にかかる費用

住宅は「買って終わり」ではありません。実際に住み始めてからも、継続的にかかる費用があります。これらを見込んでおかないと、「住宅ローンは払えるけれど、生活が苦しい」という状況に陥りかねません。
固定資産税・都市計画税(毎年かかる税金の仕組み)
固定資産税とは、土地や建物を所有している人に対して、毎年課される税金です。都市計画税は、原則として市街化区域(都市計画によって市街地として整備されるエリア)内に不動産がある場合に、固定資産税とあわせて課される税金です。
たとえるなら、自動車を所有していると毎年「自動車税」がかかるのと同じように、不動産を所有していると毎年「固定資産税」がかかる、とイメージするとわかりやすいでしょう。
これらの税額は、原則として以下のように計算されます。
- 固定資産税=課税標準額×1.4%(標準税率)
- 都市計画税=課税標準額×0.3%以下(自治体により異なる)
課税標準額は、原則として固定資産税評価額を基準に算定されます。ただし、住宅用地に対する特例措置などが適用される場合は、固定資産税評価額と実際の税額計算に使用する課税標準額が異なることがあります。
固定資産税評価額は、市区町村が土地や建物ごとに算定する評価額であり、実際の購入価格とは異なります。土地の所在地や形状、接道状況、建物の構造や築年数などによっても変わるため、購入価格から単純に推測することはできません。購入予定の物件にかかる税額は、売主の納税通知書や固定資産評価証明書などをもとに、不動産会社へ確認しましょう。
なお、新築住宅は、一定の要件を満たすことで建物の固定資産税が一定期間軽減される場合があります。また、土地についても住宅用地に対する軽減措置があります。適用要件や期間は制度によって異なるため、購入時に自治体や不動産会社へ確認しておくとよいでしょう。
不動産取得税(購入後に一度だけかかる税金)
不動産取得税とは、その名のとおり、不動産を取得した際に一度だけ課される税金です。固定資産税が毎年課されるのに対し、不動産取得税の納税通知書は、一般的に不動産を取得してから数か月後に届きます。ただし、届く時期は都道府県や物件によって異なり、半年以上かかることもあります。
「物件代金の支払いが終わったから安心」と思っていた頃に、数万円から数十万円の納税通知書が届くこともあるため、資金計画の中でも見落とされやすい費用のひとつです。
なお、一定の要件を満たす住宅やその敷地には軽減措置があり、不動産取得税が減額されたり、かからなかったりする場合もあります。あらかじめ納税に備えるとともに、適用できる軽減措置がないか確認しておきましょう。
修繕積立金・管理費(マンションの場合)
マンションを購入した場合、毎月次のような費用がかかります。
- 管理費:共用部分(エントランス、エレベーター、廊下など)の清掃や、管理人の人件費などに充てられる費用
- 修繕積立金:将来の大規模修繕(外壁塗装や屋上防水工事など)に備えて、あらかじめ積み立てておくお金
これらはマンションの管理組合に対して毎月支払うもので、物件によって金額は異なりますが、月額1万円〜3万円程度が一つの目安です。特に修繕積立金は、築年数が経過するにつれて段階的に値上がりする仕組み(段階増額積立方式)を採用している物件も多いため、将来の負担増を見越して確認しておくことが大切です。
引っ越し・家具家電購入費用
引き渡し後には、実際の引っ越し作業や、新居に合わせた家具・家電の購入費用も発生します。特に、これまでの住まいと部屋の広さや間取りが異なる場合は、カーテンや照明、収納家具などを新調する必要が出てくることも多く、数十万円単位の出費になることも珍しくありません。
将来のメンテナンス費用(一戸建ての外壁・屋根修繕など)
一戸建ての場合、マンションのような修繕積立金の制度がないため、将来必要となる修繕費用は所有者自身で計画的に準備しておく必要があります。
代表的なメンテナンス費用の目安は以下のとおりです。
| メンテナンス箇所 | 実施の目安時期 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 築10〜15年 | 80万円〜150万円程度 |
| 屋根の補修・葺き替え | 築20〜30年 | 50万円〜200万円程度 |
| 給湯器の交換 | 10〜15年 | 20万円〜40万円程度 |
| シロアリ防除処理 | 5年に一度が目安 | 10万円〜20万円程度 |
このように、住宅は購入後も「維持していくためのお金」が継続的に必要です。毎月の住宅ローン返済額だけを見て資金計画を立てるのではなく、これらの維持費もあわせて家計に組み込んでおくことが、長く安心して暮らすための重要なポイントとなります。
頭金は必要?
頭金とは何か
頭金とは、物件価格のうち、住宅ローンを組まずに自分の貯蓄などから支払う部分のことを指します。たとえば3,000万円の物件を購入する際に、500万円を自己資金で支払い、残りの2,500万円を住宅ローンで借り入れる場合、この500万円が頭金にあたります。
頭金は、いわば「自分の持ち出し分」であり、頭金を多く用意するほど、住宅ローンとして借りる金額(借入額)を少なくすることができます。
頭金なし(フルローン)は可能か?そのメリット・デメリット
近年では、頭金を用意せず、物件価格の全額を住宅ローンで借り入れる「フルローン」という方法を選ぶ方も増えています。
フルローンのメリット
- 手元の貯蓄を減らさずに住宅を購入できる
- 貯蓄を教育費や生活防衛資金(急な出費に備えるためのお金)として残しておける
- 頭金を貯めるのを待つ間の家賃負担がなくなり、早めに住宅を取得できる
フルローンのデメリット
- 借入額が大きくなる分、月々の返済額や総返済額が増える
- 金融機関の審査によっては、頭金なしだと希望の金利や借入額が通りにくい場合がある
- 万が一、物件を売却する際に、ローン残高が売却価格を上回る「オーバーローン」状態になりやすい
頭金ありの場合のメリット・デメリット
頭金ありのメリット
- 借入額が減るため、月々の返済負担や総返済額を抑えられる
- 金融機関の審査において、返済能力が高いと評価されやすい
- 金融機関によっては、頭金の割合に応じて優遇金利が適用される場合がある
頭金ありのデメリット
- 頭金を貯める期間が必要になり、購入のタイミングが遅くなる可能性がある
- 手元の現金(生活防衛資金)が減ってしまう
頭金の目安は物件価格の何%が一般的か
一般的には、物件価格の1割〜2割程度を頭金として用意するケースが多いとされています。ただし、これはあくまで目安であり、絶対的な正解があるわけではありません。大切なのは、頭金の金額そのものよりも「頭金を用意した結果、手元の貯蓄が少なくなりすぎていないか」という視点です。
頭金の割合によって、返済額がどれくらい変わるのか、3,000万円の物件を金利1.5%・返済期間35年の住宅ローンで購入した場合を例に見てみましょう。
| 頭金の割合 | 頭金額 | 借入額 | 月々の返済額の目安 | 総返済額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 0%(フルローン) | 0円 | 3,000万円 | 約9.2万円 | 約3,860万円 |
| 1割 | 300万円 | 2,700万円 | 約8.3万円 | 約3,474万円 |
| 2割 | 600万円 | 2,400万円 | 約7.3万円 | 約3,088万円 |
| 3割 | 900万円 | 2,100万円 | 約6.4万円 | 約2,702万円 |
※上記は概算のシミュレーションであり、実際の金利・条件によって金額は変動します。
この表からわかるように、頭金を増やすほど借入額が減り、月々の返済額・総返済額ともに軽減されます。一方で、頭金として使う分だけ手元の現金は減るため、「頭金を多く入れて返済を楽にする」ことと、「手元に現金を残して急な出費に備える」ことは、いわばシーソーの関係にあります。どちらが正しいというものではなく、それぞれの家庭の収入状況や将来設計に合わせて、バランスを考えることが重要です。
諸費用ローンについて

諸費用ローンとは?
これまで見てきたとおり、住宅購入には物件価格のほかに、仲介手数料や登記費用、税金などの諸費用がかかります。これらの諸費用を借り入れによってまかなう方法が、一般的に「諸費用ローン」と呼ばれています。
金融機関によって、住宅ローンの借入額に諸費用分を上乗せする場合と、住宅ローンとは別の商品として借り入れる場合があります。借り入れの対象となる費用や金利、返済期間などの条件は金融機関によって異なるため、事前に確認することが大切です。
諸費用ローンのメリット
- 手元の現金が少なくても住宅購入に踏み切ることができる
- 貯蓄を大きく取り崩さずに済むため、生活防衛資金を手元に残しやすい
- 住宅ローンとまとめて借りられる場合、契約や手続きの手間が少なく済む
諸費用ローンのデメリット・注意点
- 金融機関や借り入れ方法によっては、住宅ローンより金利が高くなる場合がある
- 借入総額が増えるため、月々の返済額や総返済額が大きくなる
- 借入額が増えることで、金融機関の審査がより厳しくなる可能性がある
- 諸費用ローン分も含めた総返済額が、物件の資産価値を上回る「オーバーローン」状態になりやすい
諸費用を借り入れる方法や条件は、金融機関によって異なります。住宅ローンの借入額に諸費用分を上乗せし、物件価格とまとめて借りられる場合もあれば、住宅ローンとは別の商品として「諸費用ローン」を契約する場合もあります。
住宅ローンに上乗せする場合は、住宅ローンと同じ金利や返済期間が適用されることがあります。一方、別の諸費用ローンを利用する場合は、住宅ローンより金利が高くなったり、返済期間が短くなったりすることがあります。
| 比較項目 | 住宅ローンに上乗せする場合 | 別の諸費用ローンを利用する場合 |
|---|---|---|
| 借り入れ方法 | 物件価格と諸費用をまとめて借り入れる | 住宅ローンとは別に契約する |
| 金利 | 住宅ローンと同じ金利が適用されることがある | 住宅ローンより高くなることがある |
| 返済期間 | 住宅ローンと同じ返済期間を設定できることがある | 住宅ローンより短く設定されることがある |
| 審査 | 諸費用を含めた借入総額で審査される | 住宅ローンとは別に審査されることがある |
| 主な用途 | 仲介手数料、登記費用、住宅ローン手数料、火災保険料など | 金融機関が認めた諸費用 |
| 注意点 | 借入総額と総返済額が増える | 金利や返済期間によって毎月の負担が大きくなる場合がある |
諸費用ローンを使うべきケース・避けたほうがよいケース
利用を検討してもよいケース
- 頭金や諸費用に充てる自己資金は少ないものの、諸費用分を含めても無理なく返済できる見込みがある場合
- 急な病気や修繕、教育費などに備えて、一定の生活防衛資金を手元に残しておきたい場合
- 諸費用を現金で支払うよりも、借り入れた場合の金利や総返済額を確認したうえで、手元資金を確保するメリットが大きいと判断できる場合
慎重に検討したほうがよいケース
- すでに住宅ローン本体の返済比率(収入に対する返済額の割合)が高めの場合
- 借入額が増えることで、将来の教育費や老後資金の準備に影響が出そうな場合
- 金利の高さによって、総返済額が大きく膨らむことに不安がある場合
諸費用ローンは、手元の現金を残せるという安心感がある一方で、借入総額が増えることによる返済負担の増加という、いわば「今の安心」と「将来の負担」を天秤にかける選択でもあります。利用を検討する際は、目先の資金繰りだけでなく、35年など長期にわたる返済計画全体を見渡した上で判断することが大切です。
なお、住宅ローンの申し込み後から融資実行までの間に転職や独立をすると、金融機関による再審査が行われたり、融資を受けられなくなったりする可能性があります。転職や独立の予定がある場合は、事前に金融機関や不動産会社へ相談しましょう。
まとめ

ここまで、住宅購入にかかる諸費用について、購入前・購入時・購入後の3つの段階に分けて詳しく解説してきました。最後に、住宅購入を検討する際に確認しておきたいポイントを整理します。
諸費用チェックリスト
住宅購入を進める前に、以下の項目を一つずつ確認しておきましょう。
- ☑ 物件価格に対して、諸費用としてどれくらいの金額がかかるか概算できているか
- ☑ 仲介手数料が発生する物件か、発生しない物件か確認したか
- ☑ 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)の見積もりを確認したか
- ☑ 契約金額に応じた印紙税の金額を把握しているか
- ☑ 住宅ローンの事務手数料・保証料の金額や仕組みを確認したか
- ☑ 火災保険・地震保険の加入要否と保険料を確認したか
- ☑ 引き渡し後にかかる固定資産税・都市計画税の目安を把握しているか
- ☑ 不動産取得税が後日請求される点を理解し、資金を確保しているか
- ☑ マンションの場合、管理費・修繕積立金の金額と将来の値上がりの有無を確認したか
- ☑ 一戸建ての場合、将来の外壁・屋根修繕などのメンテナンス費用を見込んでいるか
- ☑ 頭金をいくら用意するか、手元に残す生活防衛資金とのバランスを検討したか
- ☑ 諸費用ローンを利用する必要があるか、利用する場合の金利条件を確認したか
資金計画を立てる際のポイント
住宅購入における資金計画は、「物件価格」「諸費用」「頭金」「毎月の返済額」「購入後の維持費」という5つの要素を、それぞれ切り分けて考えることが何よりも重要です。
物件価格ばかりに目が向いてしまうと、諸費用や購入後の維持費という「見えにくいお金」を見落としがちになります。たとえるなら、旅行の計画を立てるときに「航空券代」だけを見て、現地での宿泊費や食費、お土産代を考えていなかったために、思わぬ出費に慌ててしまうようなものです。住宅購入も同様に、購入時だけでなく、その後何十年も続く暮らしまで見据えた資金計画を立てることが、安心できるマイホーム購入への第一歩となります。
不明な点がある場合は、不動産会社の担当者や、住宅ローンを取り扱う金融機関の窓口、あるいはファイナンシャルプランナー(お金に関する専門家)などに、早めに相談することをおすすめします。
今回の内容を踏まえて、さらに詳しく家の購入について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
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